大会概要
楽しみ方
花火玉の大きさ
土浦で打ち上げる花火玉の大きさは、2.5号玉(直径7.5cm)から10号玉(直径30cm)まであります。
花火玉は、大きさによって3号、4号…など「号数」で呼ばれています。大きい花火玉は、「尺」(10号玉は一尺(一尺=約30cm))という単位で呼ぶこともあります。
花火玉が大きくなればなるほど、上空で花火が開いたときの直径も大きくなります。2.5号玉で約50m、10号玉では約300mにもなります。そのため、玉が大きいほど広い打上場所が必要になり、より高く打ち上げなければなりません。
ちなみに、世界一大きな花火玉は、新潟県の片貝まつりで打ち上げられる40号玉(四尺玉)で、直径1.2m、重さは400kgを超えます。上空で花火が開くと直径700m以上もの大輪の花が広がります。
[花火玉の大きさと高さ]
花火玉の大きさによる違い
写真の花火玉は、土浦の大会で打ち上げられている花火玉です。左から、2.5号玉、3号玉、4号玉、5号玉、8号玉、10号玉です。大きさの違いがよくわかります。
打上花火の名前
花火玉には、「玉名」(ぎょくめい)という名前が付けられていて、形・色・変化などの内容を表しています。
玉名は大きく2種類に分けられ、花火玉が打ち上げられて上昇し、開いてから変化していく様子を表しているものと花火を打ち上げたときのイメージからつけたものがあります。
例)玉名
- 昇曲導:昇曲導の種類を表します。左右に火花を散らしながら上がるのが昇分砲です。
- 芯:どんな芯かを表します。ここでは、八重芯という二重の芯が入っています。
- 花火の種類:菊や牡丹などの種類を表します。種類は親星によって決まります。
- 光の筋の変化:芯が開いたあとに大輪の光の筋がどんな変化をするかを表します。
ここでは、光の筋の先が錦(黄金)から紅色に変化します。 - 先の変化:光の先の変化を表します。ここでは、紅色に変化した光の先が点滅します。
打上花火の種類
打上花火には、玉の構造によって「割物」と「ポカ物」に分けられます。
「割物」は、花火玉が破裂したときに火薬玉(星)が球形に飛び散る花火で、丸く美しい割物は、日本を代表する花火です。割物には、大きな花火玉の中にいくつもの小さな花火玉を詰め、玉が割れたときに小さな花火がたくさん開く「小割物」もあります。
「ポカ物」は、文字どおり花火玉が上空でポカッと二つに割れ、中に詰めた星が落ちていく花火です。この中には、不規則な動きをするものや星に落下傘を付けて空からゆっくり落ちるようなものもあります。
花火にはいろいろな種類があり、種類を理解するともっと楽しく鑑賞することができます。
菊[きく](割物)
花火の伝統技術の粋を集めた花火で、スーッと星が尾を引きながら放射状に飛び散って、菊花の紋を描き出します。花びらの先の色が変化する場合には、変化菊と呼びます。
牡丹[ぼたん](割物)
菊と同様に丸く開きますが、尾を引かず光の点を描きながら牡丹のような花を咲かせます。スッキリとした繊細な美しさがあり、菊より光が鮮やかに出ます。中でも火薬にマグネシウムなどを使った明るい星を「ダリヤ」と呼びます。
万華鏡[まんげきょう](割物)
星を一握りずつ和紙にくるんだものを、いくつか分散させて玉に詰めた花火です。くるんだ星が開くと同じ色の花弁がまとまって開き、色の光となって万華鏡をのぞいたように見えます。
冠[かむろ](割物)
星が比較的長い時間燃え、丸く広がってから大きく流れ落ち、地面近くで消える花火です。おかっぱ頭に似ていることからこの名前が付きました。
柳[やなぎ](ポカ物)
花火玉が割れると、上空から柳の枝が垂れ下がるように光が落ちてくる花火です。最近では彩色柳などさまざまな色の柳があり、落ちてくるときに色が変化するものもあります。
飛遊星[ひゆうせい](ポカ物)
火薬を詰めた紙の筒などが、上空で開いたときに、光が不規則な動きをする花火です。
蜂[はち](ポカ物)
花火玉が上空で割れたときに、火薬を詰めた紙の筒などがシュルシュルと回転しながら不規則に飛び回る花火です。その動きは、まるで蜂が飛び回っているように見えます。
花雷[はならい](ポカ物)
雷は、バンバンという音を出しながら強い光を出す花火です。中でも光とともに火の粉を出す花火を「花雷」と呼び、たくさんの雷が一斉に開くものを「万雷」といいます。
千輪[せんりん](小割物)
花火玉が上空で割れたときに、一瞬遅れて中に詰めたいくつもの小玉が一斉に開く花火です。さまざまな色の菊型の小玉を使うと「千輪菊」になります。
型物[かたもの](割物)
光の点や線で、ハートや笑顔、蝶、土星などさまざまな形を描く花火です。型物は作品が球状ではない花火もあるため、開いたときの向きによっては見えづらいことがあります。
審査のポイント
土浦の大会では、「スターマインの部」、「10号玉の部」、「創造花火の部」の三部門で競技が行われています。
審査においては、三部門とも作品と玉名が合っていることが求められ、低空破裂や星の落下などは減点の対象になります。
スターマインの部
色彩や鮮明度の良さはもちろんのこと、打ち上げのリズムと間が大切です。一般的には、小気味よく始まり、次第に盛り上がって最後は一斉に打ち上げるという構成が多く見られますが、最近では、静かに余韻を残しながら終えるような作品もあります。
また、音楽を使用するときは、曲のイメージと打ち上げのタイミングが合っていることがポイントになります。
10号玉の部
作品と玉名が合っていることや菊型花火の場合は親星・芯星ともに正円を描いていること、星の配列や鮮明度が優れていることなどがポイントになります。
また、高度な技術を要する多重芯(三重芯以上)が良く出た場合や曲導の良いものは評価が上がります。
創造花火の部
打ち上げのタイミングや星の配色・鮮明度、多彩な変化を持たせることがポイントになります。
また、創作性が重要で、独創的なアイデアや新しい技術に対して高い評価が与えられます。
良い花火の条件
花火師たちは、美しい花火を目指して花火玉を制作し、打ち上げを行っています。
ここでは、菊や牡丹などの割物花火について良い花火の条件を紹介します。
座(すわ)り
花火は、打ち上げられた玉が最高点で開くものが理想とされています。玉が上昇から下降に変わる瞬間に開くと星が上下方向の力に流されることなく丸く開きます。これを“玉の座りが良い"といいます。玉が上がっている途中で開くと扇型に、落ちながら開くと星が流れ、きれいな球形になりません。
盆(ぼん)
花火が開いて、星が一斉に飛び散って作る形を「盆」といいます。大きくてきれいな真円(球)であることが最高とされ、これを「盆が良い」といいます。開いた形がきれいな円ではなく、ゆがんだ楕円に見えたり、いびつな形に見えたりするもの、玉の大きさ相当の広がりがないものは良くありません。
肩(かた)
花火玉から星が放射状に飛ぶものが最高とされ、「肩のはりが良い」といいます。星が先でフラフラ泳いだり、予定外のところへ飛んだり、点火されずにその星のあるべきところから抜ける「抜け星」があって、まばらになったりするものは良くありません。
消(き)え口(くち)
花火は、星の消えるタイミングも美しさに大きく影響します。すべての星が同時に変化して色を変え、同時に燃え尽きるものが理想です。星の燃え尽きるときを「消え口」といい、放射状に飛んだ無数の星が、バラバラに消えたりすることなく一斉にパッと消えることで花火が引き締まり、より美しい印象を与えます。これを「消え口が揃う」といいます。
また、星が飛んでいる間に色が変化する花火では、その色も一斉に変わるものが良い花火とされています。
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